ICOPは7インチと9インチのTFT LCDスクリーンを搭載し、先進のLVGLグラフィック・ライブラリを統合することで直感的で応答性の高いユーザーインターフェースを提供するQEC-M-070TとQEC-M-090T EtherCATマスタを発表しました。独立した2つのコアを持つVortex86EX2を搭載し、効率的な演算能力を確保するだけでなく、EtherCATシステムのリアルタイム性能を保証し、厳しい産業用アプリケーション要件を満たします。
QEC-M-070TとQEC-M-090Tは、オープンソース・ソフトウェアをサポートすることで、ソフトウェア・エンジニアに柔軟性と拡張性を提供し、リアルタイムの現場モニタリングから複雑なデータ分析・処理まで、シンプルかつ効率的に行うことができます。さらにグラフィカルな開発ツールをサポートすることで、ソフトウェア開発プロセスを大幅に簡素化し、ソフトウェア開発エンジニアの雇用を容易にし、開発期間を大幅に短縮します。
産業オートメーションのための革新的な統合ソリューション： QEC-M-070T / QEC-M-090T
産業オートメーションにおいて、QEC-M-070TとQEC-M-090Tはその優れたEtherCATマスタ機能により、複雑な制御システムに強力なソリューションを提供します。
QEC-M-070TとQEC-M-090Tマスタは、EtherCATマスタを実行する専用CPUコアを持ち、様々な精密制御ニーズを満たすために最大128軸のモーションコントロールをサポートすることができます。これには PDO (Process Data Object)、CoE (CAN application protocol over EtherCAT)、FoE (File Access over EtherCAT)、DC (Distributed Clocks)などの基本的なEtherCAT機能だけでなく、CiA402モーションコントロール通信プロトコルもサポートしています。これらの機能によりデータ転送の高効率化とシステムの正確な同期が保証されます。ユーザはシステム構成に簡単にアクセスして管理することができ、リアルタイムのハードウェアおよびソフトウェア制御により、高性能なアプリケーション動作を保証します。
QECマスタの特徴は、正確な同期機能（最小更新サイクル125μs）です。86Duino IDEと組み合わせると、125μsの最小サイクル内で1μs未満のジッターを提供できます。これは高度に同期された正確なタイミング・トリガのモーション・コントロールやI/Oコントロールに使用される同期性能のオートメーション分野に適用されます (詳細:QEC - EtherCAT マスタ ベンチマーク)。
さらにQEC開発環境内で割り込みを定義する機能により、シミュレートされたマルチタスクのような高度な機能を実装することができ、開発者のアプリケーション設計の柔軟性をさらに広げることができます。
QEC マスタ と 86Duino IDEの組み合わせ
アプリケーション開発とQEC EtherCATマスタの展開を強化するために、ICOPは強力な開発ソフトウェア86Duino IDEを提供します。86Duino IDEはArduino IDEに似たインターフェイスを持ち、開発者に使い慣れた開発環境を提供します。86Duino IDEはC/C++プログラミング言語をサポートし、専用のEtherCATライブラリと豊富な産業用通信ライブラリ (Modbus、CANbus、SPIなど) を含んでおり、開発者は複雑な産業用通信タスクを素早く実装することができます。カスタマイズ可能なソフト/ハード割り込み機能の追加により、開発者は高度な機能の設計においてより高い柔軟性を得ることができます。
86Duino IDE内のEtherCATコンフィグレータ、HMIエディタ、ArduBlockツールなどのグラフィカル・ツールは開発者に直感的な設計や設定方法を提供し、開発の複雑さを大幅に軽減して開発サイクルを短縮します。ユーザはこれらのグラフィカル・ツールを利用してEtherCATシステムを開発できます。EtherCATコンフィグレータ・ツールはEtherCATネットワークの設定に使用し、EtherCATマスタやスレーブの迅速なセットアップを容易にします。さらに、HMIエディタはユーザインターフェイスの設計に使用しシステムの操作性を向上させます。最後にグラフィカル・ビルディング・ブロックアプローチを使用してプログラムを構築し、制御アクションを効果的に編成することができます。
QEC-M-070TとQEC-M-090Tの紹介：ディスプレイ搭載産業用EtherCATマスタ・ソリューション
QECマスタは長寿命の2G SLCストレージデバイスを搭載しており、システム動作の安定性と開発環境との整合性を保証します。これによりユーザはマスタのパフォーマンスに影響を与えることなく、独自に開発したアプリケーションやインターフェースイメージ、その他必要なデータを簡単にアップロードすることができます。これはユーザ・フレンドリな開発環境を統合し、豊富な機能ライブラリとグラフィカルな開発ツールをサポートする86Duino IDEによって実現され、運用効率と開発サイクルを大幅に最適化します。
実用的なアプリケーションのデータ通信ニーズを満たすため、QEC-M-070TとQEC-M-090Tは3つのLANインターフェースを装備しています。そのうちの1つは外部ネットワーク接続用に設計されたGiga LANで、残りの2つはEtherCATネットワークとして機能し、EtherCATシステムの信頼性を高める冗長機能をサポートします。さらに、ハードドライブ、キーボード、マウスなどの様々な周辺機器を接続するための3つのUSB 2.0ポートを備え、Arduinoピン（GPIO、ADC、CAN、RS232/485などを含む）を保持し、オートメーション制御システムに広範な接続性と拡張機能を提供し、迅速なデータ転送と既存システムとの容易な統合を可能にします。
- QEC-M-070T / QEC-M-090Tの主な機能:
- DM&P Vortex86EX2 プロセッサ, マスタ 533MHz/スレーブ 400MHz
- EtherCAT マスタ・コアは専用 CPU で動作
- ハードウエア/ソフトウエア リアルタイム
- 86Duino 統合開発環境 (IDE)
- 最大128軸のモーションコントロールに対応
- 7インチ/9インチ TFT 解像度 800×480 LCD 抵抗膜タッチスクリーン
- ハードウエア情報 内部モニタリング
- 動作温度範囲 -20 to +70 °C/-40 to +85°C (オプション)
- 3LAN/3USB/MicroUSB/VGA/MiniPCIe/Arduino ピン
7インチ LCD搭載 EtherCAT マスタ
QEC-M-070TおよびQEC-M-090Tマスターステーションは、EtherCATの強力なバス機能とICOP PPCのハードウェア性能、86Duino IDEの柔軟なソフトウェア開発環境を組み合わせ、産業オートメーション分野向けの包括的なソリューションを提供します。