Vortex86EX2デモキットの説明、目的、及び操作

VEX2_demo_box
Vortex86EX2プロセッサはMaster CoreとSlave Coreを利用して、互いに影響を与えることなく2つの異なるBIOSとオペレーティングシステムを同時に実行するヘテロジニアス2コアCPUです。 さらにVortex86EX2にはさまざまな I/Oが搭載されており、アプリケーションのハードウェア要件に応じて構成できます。
Vortex86EX2 は2 つの独立した32ビットX86プロセッサを統合した低消費電力SoC です。

ICOPはVortex86EX2デモキットの詳細な仕様、目的、操作について説明し、このユニークなプロセッサのすべての利点を紹介します。

現在利用可能なVortex86EX2を搭載したソリューション:




VortexEX2デモキット・ブロックダイアグラム

  1. VortexEX2デモキット・ブロックダイアグラム図

    diagram

  2. Master CoreとSlave Coreのディスプレイ出力
    (A) TTL LCDはframe bufferドライバをロードした後のMaster Coreのディスプレイです
    (B) モニタはframe bufferドライバをロードする前に、VGAコネクタを介してMaster Coreの情報を表示します
    (C) PCのターミナルは、UART経由でSlave Coreの情報を表示します

  3. Vortex86EX2デモキットの画像
    demokit.

B. Vortex86EX2デモキット作成の目的

このデモキットを作成した主な目的は、お客様にVortex86EX2の下記のような特別な機能を理解していただくためです:

  1. 独立したDual core
    Vortex86EX2 CPUには つの独立したコアがあります。 各コアには独立したBIOSとストレージ インターフェイスがあり、異なるオペレーティングシステムを同時に実行できます。
  2. 内部通信

    Vortex86EX2 CPU 上で2つの独立したcoreは2つの方法で通信することができます:
    i. FIFO COM
    EX2-DemoKit_FIFO

    ii. RAM Hole
    RAMHole

    このVortex86EX2デモキットでの内部通信用RAMホール機能の使用例。
    VEX2-DemoKit_Operate

  3. 互いに影響を及ばさないDual core
    Vortex86EX2 CPUでは、2つのコアの動作は互いに影響しません。 1つのコアに障害が発生しても、もう1つのコアは引き続き機能します。Vortex86EX2 Demoの例では、Slave Coreの動作が閉じられそして再起動されます。 その際マスター コアは引き続き実行され影響を受けません。

  4. LCD Frame buffer>
    Vortex86EX2 プラットフォームには内蔵GPUはありませんが、Vortex86EX2はLCDパネルを駆動しフレームバッファを介して画面表示機能を実現できます。

  5. 任意のコアにI/Oを自由に割り当て
    Vortex86EX2のすべてのI/O機能は、必要に応じて任意のコアに自由に割り当てることができます。

    下記参照:
    VEX2-DemoKit_IO

C. Vortex86EX2デモキット操作説明

  1. Vortex86EX2デモキットを使用する前に、次のアイテムを準備する必要があります:

    • Vortex86EX2デモキット x1
    • Computer (デスクトップでもノートPCでも可) x1
    • VGAスクリーン x1
    • RS232 USB変換ケーブル x1

  2. 各種I/Oと操作方法

    Master Core:
    Master CoreのユーザインターフェースとLCD frame buffer
    VEX2-DemoKit_App-1 VEX2-DemoKit_App-1

    Slave Core:
    すべてのI/Oが割り当てられており、Slave Coreがプログラムを実行した後すべての情報がRAMホールを介してMaster CoreのLCDディスプレイに送り返されます。

    GPIO on Slave Core
    • ボタン制御l:
    Slave CoreのGPIOでトリガーし、Master CoreのLCDパネルに表示します。
    VEX2-DemoKit_App-3

    • ライト制御:
    Master CoreのLCD タッチパネルを介してコマンドを実行し、Slave CoreのGPIOライトに結果を表示します。
    VEX2-DemoKit_App-4

    Slave Core上のRS-485 self-transfer
    Master CoreからのコマンドによるSlave Core RS-485 self-transfer

    • Master Core液晶タッチパネルの赤枠内"Send Frame" をクリック
    VEX2-DemoKit_App-5

    • Master CoreがSlave Coreへコマンドを送ります
    VEX2-DemoKit_App-6

    • RS485 Self-transferのメッセージがSlave Coreターミナル・スクリーンに表示されます
    VEX2-DemoKit_App-7
    VEX2-DemoKit_App-7-1

    Slave Core上のCAN Bus self-transfer
    Master CoreからのコマンドによるSlave CoreのCAN Bus self-transfer
    • Master CoreのLCDタッチパネルの赤いボックスにあるSend Frameをクリックします。
    VEX2-DemoKit_App-8

    • Master CoreがSlave Coreへコマンドを送ります
    VEX2-DemoKit_App-9

    • CAN Bus self-transferのメッセージがSlave Core'のターミナル・スクリーンに表示されます
    VEX2-DemoKit_App-10
    VEX2-DemoKit_App-10-1

    Slave CoreのI2Cインターフェイスを介した温度および湿度センサー
    環境温度と湿度は、I2Cインターフェイスを介してSlave Coreに接続されたセンサーによって収集され、Master Coreに表示されます。
    VEX2-DemoKit_Temp-1 VEX2-DemoKit_App-1
    (Vortex86EX2デモキットの例では、センサーに指で触れて温度と湿度を変更します)

    センサーがタッチされていない時の状態:
    温度と湿度の情報は、Master Core LCD パネルに表示されています。
    VEX2-DemoKit_Temp-3

    Slave Coreのターミナルに表示された温度と湿度の情報
    VEX2-DemoKit_Temp-4

    センサーがタッチされた時の状態
    温度と湿度の情報は、Master Core LCD パネルに表示されています。
    VEX2-DemoKit_Temp-5

    Slave Coreのターミナルに表示された温度と湿度の情報
    VEX2-DemoKit_Temp-6

    Slave Coreのセルフ・リセット
    2コアが独立の場合、Master Coreに影響を与えることなく、Escを押しプログラムを停止してSlave Coreを再起動できます。

    • Master Core:
    Slave Coreがログアウトしている間も、Master Coreは引き続き動作しています。
    VEX2-DemoKit_Slave-reset-1
    • Slave Core:
    Escを押すと、プログラムはSlave Coreでの実行を停止します。
    VEX2-DemoKit_Slave-reset-1

    Slave Coreのオペレーティングシステムのアカウントを入力してください: [ root], and login password: [ root].
    [ root@buildroot:]が表示されるので、[ reboot]を実行してください。完了後、Slave Coreは再起動し、動作を再開します。
    VEX2-DemoKit_Temp-4